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ピンクの扉
第16章 真実の愛

駅前の喫茶店でしばらく待っていると
レンタカーが横着けされ、
駐車した車から夫が飛び降りてきました。

私は夫に駆け寄り抱きつきました。

いつもはダンディーな夫からは想像もつかないほど
髪はバサバサで無精ひげさえ伸びていました。



「心配かけやがって…」

夫はそういうと人目をはばからずに
口づけをしてくれました。

私は夫の胸の中で何度もごめんなさいと謝りました。


でも、ふと気づいてしまったんです。

夫からは仄かに
あの亜里砂という女の匂いがしたのを…


二人で札幌の社宅へ戻り、
仲良くシャワーを浴びました。

いえ、表面上は仲良くです。

私は夫に付いた亜里砂の残り香が
心に引っかかっていました。

「洗ってあげる…」

私は石鹸を泡立てて夫のまえにひざまずきました。



そして決定的な証拠を見てしまったんです。

夫のペニスの根元に残るルージュの痕を…

でも、夫を責められません。

私だって何人かの男に体を開いたんですもの…


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