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ピンクの扉
第2章  セールスマン
気付いたときには、その自称アドバイザーという今口という男を、リビングのソファーに座らせていた。


あのぅ・・・XXXゴムのアドバイザーって・・・?

「いやあ、大変失礼いたしました。改めまして、わたくしこういったものです。」

今口という男が名刺を取り出し、テーブルの上を滑らせ私の前に差し出した。

XXXゴム株式会社
お客様アドバイザー
今口 盛時

名刺には、そう書かれていた。

あのぉ・・・失礼ですが、XXXゴムって・・・ひょっとして

「はい、そうでございます。お客様の明るい家族計画にご奉仕させていただいております。コンドームのXXXゴムでございます。」

家族計画・・・って・・・・

あのぉ、私もう四十すぎのおばさんですので、あまり関係ないんですが・・・

「またまた、そんな、ご謙遜を・・・・
えっ?ほんとに四十歳をすぎていらっしゃるんですか?
いやぁ~、とてもそうは見えないですよ。
いえいえ、セールストークではございませんよ。
ほんとにチャーミングでいらっしゃる。
奥様なら、まだまだご主人も愛のご奉仕をたくさんされるでしょうし、予想外のご懐妊を避けるためにも、わが社のコンドームをお役に立てていただければと。」

ふぅ~、ほんとにマシンガントーク・・・

立て板に水とは、まさにこのことだわ。
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