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ピンクの扉
第20章 豆田先生

皆さんがぞろぞろと会議室を後にするのに逆らって
一人の20代であろう若い男性教師が私に近づいてきました。

「委員長、これからよろしくお願いしますね
私、教師側の学習委員をまとめさせていただく豆田と申します」

握手を求めてきたので私は
「よろしくお願いいたします」と
手を握り返しました。

その瞬間、ゾゾゾと寒気がしたのです。

だって、その方の握手ったら…

なんだか手を愛撫するみたいに
さわさわと手の甲を撫でるんですもの。


「まあ、学習委員といっても
PTAの郊外学習つまり遠足を計画実行するだけですけどね」

まあ、気楽にやりましょうやと、
気安く私の肩をポンポンと叩きました。


「なにぶん何もかも初めてなので
よろしくお願いいたします」

なんだか学習委員というものに
手慣れている方のようでしたし
申し訳ないけど
この方にすべてお任せしようと思いました。


「早速ですが、
来月にPTAの遠足を実施しなければいけません
お時間がありましたら、
よければ場所を代えて打ち合わせをしませんか?」

まあ!来月に?

では、急がなくてはいけませんね

私は二つ返事で彼についていくことにしました。



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