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第17章 俺と杏奈の関係　蒼汰SIDE

杏奈チーズケーキ好きだったよな…


俺とチーズケーキどっちの方が好きかな。


何かケーキ食いたくなってきた気ぃするし、しゃあなし買ってってやるか、とか。


らしくない、素直じゃない杏奈への気遣いに嘲笑を洩らした。


マジで…らしくねぇ。





杏奈のアパートから自分のマンションに帰ると、


｢蒼汰さん、お帰りなさい｣


という杏奈の言葉がない事が無性に寂しく感じた。


…いやいや、おいおい。


今までそれが当たり前だったろうが。


前はたまーーーにだけど美咲が料理作りに来てくれてた事もあったけどさ。


杏奈いるからって断ったの、俺だけどさ。


今更何求めてんだ俺は。


…と思ったが、自分1人で住むには広すぎる部屋で、所々に置いてある杏奈の私物を見つめ、暫し立ち尽くし…


｢…～あぁあ！クッソ！｣


もうどうにでもなっちまえ！


まだ夢の中にいるだろう杏奈に電話をかける。


出ろよ…出ろよ、頼むから。


お前が足りねぇんだ、満たさせてくれ。


俺の傍に、いてくれ…ずっと。


何で今みたいに時々自分の所帰んだよ…


ここにいろよ。


｢お帰りなさい｣


うん、ただいま。


いつも迎えてくれてありがとう。


｢行ってらっしゃい｣


今日は早く帰る…チーズケーキ買ってきてやる。


｢蒼汰さん、今日何食べたいですか？｣


うーん…お前を食いてぇな。