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夜の密会
第1章 第一夜



「綾、おいで?」


動かしている手を休めて、ペンを置く間も彼は視線を外さない。

私は、一歩、一歩と彼のいるデスクの向こう側に足を動かす。

そして目の前に来た時、手に持っていたトレーをそっと引き抜かれ、デスクに置かれた。


左手を握られて、彼の温もりを感じると次第に熱くなりだす私の体。そうなったらもう、止めることは難しい。


「顔が真っ赤だ」


フフッと笑う。


「…ッ」


「綾…」


「あっ…!」



握られた左手を引っ張られ、体が傾き、抱き着く体勢になってしまった。

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