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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第7章 重く、纏わりついて、絡みつく
ざぁ、と音がして、見ると教室の窓に雨粒がついていた。
家を出てくる時は降っていなかったはずだ。

胸の中に淡い期待が広がる。
こういう日は、いつもなら若葉が傘を貸してくれる。

本当は折りたたみ傘を持ち歩いていた。
同じ傘に入りたかったから、ずっと隠していたけれど。

今日も、若葉は俺が雨に濡れないか心配してくれるだろうか。

――まさか。
朝も迎えに来てくれないのに?

それでも俺の鼓動は否応なく盛り上がっていく。
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