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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第8章 泡のようにはじけて
「なっ、に、やって……!!」

ベルトに手をかけられた瞬間、俺は悟った。

まさか、しゅーちゃん。
ここで……?

慌ててしゅーちゃんの手を押さえ込む。
お互いの傘がアスファルトに転がり、雨が全身を濡らしていく。

「やめて! 人が来るからっ!!」

「いーじゃん、見られても」

俺は愕然とした。

男同士の行為なんてありえない。
ましてや、それを誰かに見られるなんて。

たとえ俺たちがセフレでも、両想いじゃなくても、他人から見たら同じことだ。
気持ち悪がられて終わり。

俺が今までどれだけ苦しみながら、しゅーちゃんへの気持ちを封じ込めてきたと思ってるんだ。
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