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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第8章 泡のようにはじけて
少し間があって、彼女は心配そうな声を出した。

『……若葉、泣いてんの?』

俺が沈黙でいることを肯定と受けとったのか、苺香はこう言った。

『今どこいんの? すぐ行くよ』








苺香に案内されたのは、静かな住宅街にある大きな一軒家だった。
幾何学的でモダンな外観で、夜の闇の中にオシャレにライトアップされている。
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