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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第8章 泡のようにはじけて
「ここがマイカの家。親はねぇ、何してるかわかんない。ほぼマイカの一人暮らし、みたいな? 昼間はお手伝いさんが来てくれてるんだけどね、今日はもう帰ったから大丈夫」

「い、いいの? 俺が入っても……?」

家に二人っきりって、マズイのでは。
俺達、今日初めて話したのに。

「あっはは! マイカたち、トモダチでしょお~?」

苺香は噴き出し、俺の背中をバンバン叩きながら、メタリックな玄関の扉を開けた。

中もまた広かった。
たぶん床は大理石だ。
濡れた靴で入るのが申し訳ない。
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