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第11章 雨は止んで

きっぱり言い捨て、更に若葉を問い詰める。

「それ以上は何もしなかったのか？」

「してないよ」

若葉は苦笑して、それから意地悪くこちらを見つめてきた。

「しゅーちゃんはしたみたいだけどね」

ぐ、と言葉に詰まる。
それを言われてしまっては降参するしかない。

「しゅーちゃん、ちゃんと苺香に謝りなよ」

「……わかったよ」

確かに、酷いことをしたとは思っている。
でもあの女だって若葉にキスしたんだからおあいこじゃないか。
そう思ってしまう俺は、相当心が狭い。

謝るのは、若葉に言われたからだぞ、と心の中で呟く。
もちろんそんなことを思っているのは、若葉には内緒だ。