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叶わないならせめて、手に入らないならいっそ
第3章 妄想が現実を塗り潰していくまで
わざと目の前で指についたクリームを舐めとる。
若葉の大きな丸い目が余計丸くなって、バッとそらされた。
耳まで赤く染まっている。

そのウブな反応に満足した。
そうだ、俺の一挙手一投足に振り回されろ。
俺のことを忘れるな。

好きな奴のとこになんか行かせない。

「若葉」

ゆっくりと座卓を回り込んで、若葉の隣に行く。
若葉は警戒したように体を後ろに傾けた。

「な、に……?」

「シようぜ?」

ひゅ、と、若葉の喉が空気を裂くような音を立てた。
丸い目を更に真ん丸に見開いて、本当に可愛い奴だよ、おまえ。
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