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花に酔う
第2章 月下美人
ああ―――……。
僕は、携帯の画面から目を逸らし。
窓を開け、月を見上げた。
あなたに会いたい――――。
いくら望んでも、叶わないその願い。
こみ上げてくる感情が、僕の顔を歪ませる。
噛んだ唇。
あなたの些細な言動に。
こうやって、どうしようもなく自分の立場を思い知らされてしまう。
ねえ、僕の存在が必要だと言って。
僕のことが本当に必要だと言って。
僕のそばに来て。
今すぐ、来て。
戻るべきところが他にあってもいい。
それでも構わないから。
だから今すぐにここに来て。
あなたに、こんなにも。
……こんなにも、会いたい――――。