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藤の舞
第13章 買い物
「しかし、○○病院は看護婦さん沢山いるねぇ、
働き始めたばっかりかい?」

「1ヶ月ちょっとです。」

患者として来てからの時を答えてごまかした。

「美人でナイスバディな看護婦さんばかりだよねぇ、いいなぁ。」

おじいさんらしくなく、手つきで大きな胸を表して言った。

気さくな商売人なんだろう。

「私はそんなことないです。」

「いんや、べっぴんさんだ。」

言いながら這うような目付きに、
ブラジャーをしていなくて、乳首が勃ってしまっているのが、
バレてしまうのではと恥ずかしくなった。


「年寄りは足が悪いんでね。看護婦さん、先に上がってくださいな。」


足が悪くなくても、太ももくらいまである高台に、

「よいしょ…」

掛け声を出して脛を乗せ、四つん這いになってよじ登った。

「よっこらせっ…

看護婦さん、早く入ってよ。つっかえちゃうよ。」

ポンポンと気安くお尻を叩かれた。

ひゃっ…

「いいケツしてるね看護婦さん。」

商売人の愛嬌、老人だし…
私は油断していた。

「ささっ…あの箱だよ。」

部屋の隅に置かれた段ボール箱を指差される。

箱は開いていて、篭に山を作っている最中だった。
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