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藤の舞
第16章 試験
【今度、一緒にあって欲しい友達がいるの。親友、女の子よ】

メールの返事が男から来る。

【君の怪我の状態に影響しないことなのかな?】

【えぇ、治りが早くなるわ】


あれから男との関係は続いている。

"怪我の状態"とは"二人のsexの関係"という意味だ。

メールのやり取りはあくまでも、怪我をした被害者と加害者という内容で、
気持ちとか関係性とか考えない、いわばセフレのような状態だ。

でも、これが不倫だとかセフレだとか、互いの関係性を言葉にはしない。

"怪我の状態が良くない"から"心配で確認してくれる"という初日に男が約束した言葉だけで繋がっていた。

具体的には、"確認する"日時を決めて、初日のホテルに早く着いた方が先に入り、そこで落ち合うという気兼ねない状態が続いていた。

普段は2〜3日に一度、男がどんなに忙しくても週に一度は"状態の確認"は行われた。

アタシは主からの依頼で親友に合わせることになっていた。

sexへの固定観念を捨てさせて、幅を持たせること…

それがアタシに与えられた課題なのだ。
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