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藤の舞
第16章 試験
今、男はSの顔になっているのだろうか、
見たいがもうしばらくタイミングを計る。

『ああ、妻と被って萎えてしまいそうだよ、淫乱女。
四つん這いになれ、獣は獣らしく犯してやろう。』

あ、ああ、ああぁ…

男に後ろから貫かれたんだ。
その感触を体が思い出す。

そして男がいきなり激しく腰を打ち込む、肌のぶつかり合う音が聞こえた。

今だ。
アタシは静かに湯船を出て体を拭き、バスルームを出る。

sexの幅を広げるためにアタシができること、
アタシたちが持つsexへの概念、
一対一のものではなく、占有でなく共有であること…
を男に体感させる為に…


男はアタシがベッドサイドに近づくまで、結合部分を見入っており気づいていなかった。

初日に感じた堅物の仮面、
それに狂気の光が籠り、
仮面ではなく、男のもう1つの顔であったことが判る。

男の新しい一面を知れたことが嬉しい。

男は馬車馬を扱うように、左右の尻を叩いては激しく打ち込み、
崩れ落ちる馬を掴みあげては、また追い込んでいた。

馬も、待機からいきなり荷を繋がれ、ギャロップを命じられ、鞭討たれ、

目をぐるぐる回し、泡を噴きながら駆けていた。
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