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藤の舞
第17章 童歌
もう妻の話は良かった。


「あの、奴隷の引き取りのことと妻のことは?
貴方が全て仕組んだんですか?」

「仕組む?
何の話をしているかわかりませんが、
たまたま、あの娘が奴隷にして欲しいと、ネットのサイトに投稿してきて、」


男が立ち上がり部屋を出て、紙コップのお茶をもってくる。

「いただきます。」

俺は喉がカラカラで礼だけ言ってそれに口をつけた。

「主従関係を結ぶって大変なことなんです。

普通の男女ですら、前の相手を引き摺るでしょう?

彼女が、前の主人に捨てられて、今は仮の主人に飼われていると言うので、
どんな主人か知って引き継ぎたいと思っただけです。

そしたら貴方の名前が出て、その珍しい名字だから、すぐ奥さんと繋がった訳です。

こちらも奥さんとの関係に悩んでいましたから、
せっかくのチャンスということで今日の会合を企画させていただいたのです。」

俺は妻より、彼女と男が繋がっているのかが気になった。

自分から彼女の話を出すのは不利で、奴隷の話から聞き出そうとしたが、
どうやら関係なさそうだった。


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