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藤の舞
第18章 人工受精
「ごっ、ございます。」


妻の何もかもが許せず、許したくもない俺は、自分が嫌いなM女扱いして、どうにか過ごそうとした。


そして、彼女が俺を呼ぶ『貴方』を妻に使わせたくなくて、家では全てSMごっこで誤魔化せばよいと考えた。

妻は慌てて料理を温め始めた。自分はしっかり済ませたらしい。

シャワーを浴びてパジャマに着替え、自分で酒を出して食事する。

今朝までは、自分に後ろめたさがあり、それでも妻には普通に接しようとしていたが、

もう飯すら美味いと言う気がしなかった。


離婚、あいつがほのめかしたが、手続きや体裁を考えるのも面倒だし、あいつの望み通りくれてやるのもムカつくし、
これで日常生活が上手くいくなら、このままでいい。

彼女が結婚を望むなら、別れればいい。
でも話さなくてもわかる。彼女は結婚を望んでいない。


妻は、食事中、視界の隅でずっと正座でひれ伏していた。


「おい、皿を下げて酒を持ってこい。

話があるんだろう?」

「はい、ご主人様…」

「酒でも飲みながらでないと、話にならないからなぁ。」


妻が酒を注ぐ。

目の前に、ちびちんこが揺れていた。
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