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第19章 結果待ちの期間

｢先生、ここは産科がないですよね。どこか紹介していただけますか？｣

｢ああ、それならご心配なく。
里帰り出産などの希望はありますか？｣

｢いいえ、母が病弱なのでそれはありません。｣

｢でしたら、検診は当院で引き続き診ますので、お客様の中で近い病院に入院されても、
もし、貴女が希望するなら、当院で出産できるよう設備を整えますよ。｣

奴隷がパッと明るい表情になったが、『設備を整えて欲しい』とまでは遠慮して言えないようだった。

｢まずは、結果次第ですね。｣

僕は答えを急かさずに話題を変えた。

｢他にご質問は？｣

｢ありません。｣

｢では問診は終わりです。
気になることがあれば、いつでも訊いてください。｣

普通の医者と患者としての問診を終え、僕はカルテに記事を書き込み、ファイルを閉じた。


｢先生、あの、帰らなければいけませんか？
今日はその…
してはもらえないのですか？｣


問診では言い淀んだ奴隷がはっきりと欲を露にするのがおかしかった。

貞操帯はもう着けておらず、客を待たせている訳でもないのに…