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藤の舞
第8章 痒み
僕との行為を治療でなくsexと受け止めているから、言えないのだろう。

真面目で大人しい性格が災いして、坂を転がるように堕ちてくるのが見える。

「では、診察しましょうね。」

「お願いします。」

獲物は、昨日よりもスムーズに女性助手に腰掛ける。

僕もすぐにスイッチを入れて患部を確認する。

「外陰部は昨日より酷くなってはいないようですが、痒みは何処が酷くなりましたか?」

「……中の奥の方です。」

言いながら顔を背けているのは、嘘をついているから?昨日の行為を思い出しているだけか?

何にしても、来ないという選択肢はなかったわけだ。

患部を消毒してクスコを見せる。

「膣内の状況を診ますから、入り口にこれを当てます。」

「はい…」

静かに挿入して口を開き、固定する。洗面台を出し金盥を置いた。

クスコは吹き口が割れて拡がるラッパのような形状だが、もちろん音はならない。

下の口にくわえさせて音を鳴らしたいので金盥を置くのだ。

クスコを通してカメラで内部を診る。患者のモニターにも写してやる。

カタン…カタン…カメラの首とクスコが当たり金属音が響く。

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