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英里を調教 <大学生編>
第16章 卒業式 「おもしろき ことをなき世を おもしろく」
 ぴったりと体を寄せ合って眠る夜。
 
 何度も重なり合って、お互いに責めあって、何度も絶頂した後の、心地よい気だるさ。
 隣に眠る体の暖かさと、小さな寝息。

 その全てが、今私のベッドの中にある。

 私は思わず泣きそうになってしまう。
 
 大事な妹。大好きな友達。
 私を慕ってくれる可愛い子。

 ぎゅっと抱きしめると、寝息が乱れ、英里ちゃんは眠そうな声で私の名を呼ぶ。

「志穂さん…?」
「英里ちゃん」
「どうしたの?」
「うん…」

 思い出すのは、英里ちゃんのこと。

 無理やりえっちをしたこともあった。
 二人一緒に襲われたこともあった。

 でも、こうしてお互いに求め合って、満足の中、眠ることが出来る。

 私は本当に倖せだ。


 おもしろき ことをなき世を おもしろく

 高杉晋作の辞世の句。私の大好きな言葉。
 
 毎日を必死に、一生懸命生きて、おもしろく生きたい。
 
 英里ちゃん、友恵ちゃん。真紀にサークルのみんな。
 私は、私の仲間と、おもしろい大学生活を送ることが出来た。

 女の子を求める私達は、きっとどこかおかしいのだろう。

 でもかまわない。

 体で、そして心で通じ合える仲間がいるから。

 狂っていても、心がある。
 優しさの詰まった愛がある。

 ずっと考えてた。
 高杉晋作の句に、もし私だけの下の句をつけるのなら、と。

 そして、今、愛すべき体を抱きしめながら、私は下の句を思いつく。

 おもしろき ことをなき世を おもしろく
 狂い咲きとて 咲き誇れ花

 
 英里ちゃんの柔らかい体が、私の体に重なる。
 ふたつの吐息が混ざり、喘ぎの声が響く。

 私の大学生活最後の日はこうして終った。
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