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英里を調教 <大学生編>
第11章 友恵と二人、閉じ込められたエレベーターの中 ~英里の目線~
 お店の中はキレイで明るいのに、ちょっと古いこのビルは、廊下が少し薄暗い。
 この後どうする、お茶でもしようか、なんて話しながらエレベーターに乗って一階のボタンを押す。

 少し擦れるような音をして、エレベーターのドアが閉まり、がくん、と揺れて下がりはじめる。

 下がりはじめて…止まった。

「あれ?」
「止まっちゃった」

 同時につぶやく私と友恵。

 試しにいろんなボタンをカチカチ押してみたけど、反応はない。
 当然、「開」を押しても開かず、「閉」のボタンにも反応がない。

 このエレベーターは遠隔管理されています、の表示の下の非常通話ボタンを押してみる。

 しばらくすると、管理会社の人の声。
 エレベーターが止まったことを告げると、調べるから少し待つように、との指示。
 言われるままにいろいろ操作したけど、何も反応がなく、エレベーターは動かないまま。
 管理会社の人が、そちらに作業員を向かわせる、と言ってくれた。
 ただし、そのエレベーターは古い機種なので、用意をするのに時間が少し必要だ、とも。

「二時間だってさ」
「うん…ごめんね。私が誘ったから」
「ううん、友恵のせいじゃないよ。気にしないで」

 と言った途端、エレベーターの照明が消えた。

「きゃっ!」

 悲鳴を上げて抱きついてくる友恵。
 非常等の赤いランプが付いているから真っ暗ではないけれど、暗くて狭い空間は、やっぱり私もちょっと怖い。

「英里…」
「うん、ちょっと待ってて。もう一回管理会社に連絡してみるね」

 管理会社の人は少し考えて、老朽化が原因で、電力供給が止まってしまったのだろう、と言った。
 電気が来なくなって、エレベーターは止まったし、照明も消えてしまった。
 エレベーターがこのまま落っこちるんじゃないかって心配する友恵に、それはないから安心して助けを待って下さい、時間はかかりますが必ず出られますよ、と管理会社の人は言ってくれた。

 私達は、このまま立っていても疲れるし、とエレベーターの壁を背もたれにして座り込んだ。
 友恵は小さく震えている。
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