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泡のように
第8章 7.
「ねぇ、お兄ちゃん」

 真剣な横顔は案外すんなりこちらを向いた。ただし視線はテレビ。

「え、な、なに?」
「お兄ちゃんってもう27歳でしょ」
「それがなにか?」
「ケッコンとかしないの?」

 声に出さずお兄ちゃんは「エッ!」と言った。テレビの中でテンションの高い解説者が早口の英語を捲し立てている。そのテンションと、愕然とした顔で私を見つめるお兄ちゃんのテンションの差がハンパない。

「いま彼女とかいないの?」

 お兄ちゃんはようやく丸い形のまま開きっぱなしにしていた口を閉じ、オドオドキョドキョド首を振った。

「か、かのじょ、かの・・・。あ、あのさぁ、世の中には、さ、努力したら出来ることと、努力しても出来ないことが、あるんだよ」

 これが教師の言うセリフだろうか。

「どういうこと?」
「兄ちゃんは、彼女なんか努力したって出来ない、っていうか、つくる資格もないんだよ。こんなに貧弱なカラダで、性格もこんなで、生徒以外では、母さんと智恵子・・・くらいしか女性とロクに話せないし」

 身長が190センチないくらいで、現役を退いた今でも体重が100キロちょっとあって、XXLサイズのチャンピオンのパーカーがパツンパツンで乳首浮いちゃってるレベルで肉じゅばん着てるような、ベンチプレスで200キロ上げれちゃうような鍛え抜いた身体が貧弱だと言うなら、世の中の男はほぼ全員もやしかシャーペンの芯ということになる。
 いや、ゴボウという可能性もある。

「生徒にはバカにされるし、ケッコンなんて、に、兄ちゃんがSMAPに入りたいって言うくらい、無理なことだよ」

 やっぱり生徒にバカにされてるんだ。涙が出そうだ。

「そんなに自分を卑下しなくても」
「ち、ちが、違う。卑下じゃないよ。事実だから受け入れているだけ」
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