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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第5章 スタープラチナム
 急いで身支度をして、家を飛び出すと、娘はリョウタの自宅へ向かう。
 彼女には、いったい何があったのかわからない。

 リョウタがおそらく怒りに包まれているのであろうことは想像できたが、それにしても妹にあのようなことをする人間ではないはずだった。

 少なくとも、彼女が知っているリョウタは、聡明かつ危険とは程遠い位置にいる男で、逆にそこに少しの物足りなさを感じたこともあるほどである。犯罪行為に手を染めるなどはその行動原理には存在しえない選択肢のはずだった。
 
 何がそこまで彼を怒らせているのか。

 メッセージを無視し続けるという行為は確かに十分に人を傷つけ、怒らせることのできる仕打ちではある。
 だが、それが人を、人格をこうまで変えてしまえるものなのか。

 それほどのことを自分はしたのか。

 いずれにしても、柚子の身に危険が迫っていることは事実だった。まずはリョウタのもとへ向かわなくてはならない。

 娘は絶望にも似た感情で空を仰いだ。

 よく晴れた夏の夜空に、満天の星がきらめいている。
 それは娘に、リョウタから告白された夜のことを思い出させた。
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