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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第10章 インストーラ
 ヨウコの質問には、ちょっときつい喧嘩をしてしばらく会ってない、って答えて誤魔化した。

 状況の深さは大分ちがうけど、だいたい嘘ではないだろう。

 なんにせよマサキが逮捕されたことで、少しは溜飲が下がったし、学校に来てリョウタと複雑な距離感で接しなくてはならないという悩みもなくなった。

 その状況は素直に喜べるものではなかったけれど、長らく乗っかっていたズッシリとした重石が一つ取り除かれたような、そんな感覚だ。

 ただ、もしあのバカが警察で喋ってしまったら、ちょっと厄介なことになるかもしれない。でもその時は私とお父さんとで全力で柚子を守ろう。

 そんな気持ちになったら、少し自分の中に力が湧いてくるような気もした。

 「さて…」

 と、帰り道に私は考えていた。

 周囲の環境がこうなったら、あとは私自身の問題だ。

 マサキたちはこのまま地獄にでもどこにでも堕ちてしまえばいいが、傷つけられた私の気持ちだけは自分でなんとかしないといけないのだろう。
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