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父と娘の近親相姦日記 第2部 暴走編
第16章 父と娘のPart2
 それ以上、私も柚子も言葉を継ぐことができず、しばらく沈黙が流れた。

 私の右手と柚子の左手は、あとちょっと動かせば触れるような位置にあった。 

 感情が混濁し始める。

 まだ、ずっと昔、初めての彼女になる女性の隣に座っていたときのような緊張感。
 親子でありながら肌を重ねて、そして今またそれを強く望んでしまう背徳感。
 そして、華のいない場所で、急速に他の女子と距離を縮めてしまいつつあるという不実。

 私のそんな混乱した思いはこの部屋の空気を重くしていた。  
 そんな重さを押しのけるように、先に口を開いたのは柚子のほうである。

 「もうちょっとしたらお姉ちゃん帰ってきちゃうね」

 そう言われて時計を見ると、針は1時半になろうかという時刻を指していた。
 帰宅部であっても、まっすぐには帰ってこない華は5時過ぎくらいの帰宅が普通だ。

 「…ン…まだ…大丈夫だろ…」
 「まだ大丈夫って、どういう意味よ。」
 「いや……」
 
 うっかり自分の口から出た言葉で、華に対する罪悪感にチクリと胸が痛んだ。
 すでにこの罪悪感が妻に対するものでないことにも、さらに心が痛む。
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