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第10章 春節の夜

一瞬、ほんの一瞬だ。


あの人に見とれたわたしは…


顔に向けて伸ばされた

その指に、触れられたいと───



“ そんなのはあり得ない ”



絶対に、許されない……!!









「…っ…わあー！危ない！危ないぞ！！」


「──!?」


「商品の爆竹に飛び火してる!! 急いで離れろー！」




炎嗣から逃れた水鈴の行く先──


騒ぎの声が突然響き、前方から大勢の人間が血相を変えて逃げてきた。