この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
§ 龍王の巫女姫 §
第11章 残酷な好機

そして炎嗣は部屋の中に水鈴の輪郭を見つけた。

彼女を捉えた視線がスッと下に滑り──

「……ふ」

その右手にぶら下がった燭台で止まった。


水鈴の顔に緊張が走る。



「……新しい蝋に付け替えるのか?」


しかしどういうつもりか。
窓灯りに浮かぶ彼の口は笑っていた。




「その必要はない、それを持ってここへ来い」


「……」


「早くしろ、水鈴…──」


「──…無理です」


水鈴が弱々しく応えた。



「…わかっているのでしょう…!? いま、わたしがあなたに近付いたら…っ どれ程、危険か」


「──…」


「少しは警戒してください!あなたはわたしにとって…っ…憎い仇なのですよ!? どうしてそんなに平静でいられるの…!!」


次の瞬間には、彼女は声を荒げていた。


自分はこんなにズタズタに苦しみ、複雑な思いに揺れているというのに…

何もかもを見透かしたような、炎嗣の余裕が怨めしい。


《どうせ、殺せない》


そんな度胸なんてない、それすらも見抜かれているに違いなく…

きっとそんな言葉を返してくるのだろう、と

水鈴は予想していた。




けれど炎嗣が発した言葉は、彼女の予想に反するものだった──





/567ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ