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§ 龍王の巫女姫 §
第14章 湯に溶ける甘い蜜

それを舐めとり舌で拭った。

「…いい顔になった」

「…ハァ…ハァ」

「お前はまたそうやって…俺を誘うよな」

「…誘うだなんて…? う、そ」

水鈴にそんな自覚はない。けれどそうやって弱々しく否定する仕草こそが、彼の本能を刺激するのだ。


炎嗣は、あの四阿( アズマヤ )での水鈴の顔を思い浮かべていた。


もっとしてほしい…
そう訴えて男を誘う顔──


「…また…見せろよ…」


あの甘ったるい無防備な水鈴を、また見たい。

この女が俺を求める言葉を──この桜色の唇から。

そしてこの桃色の肌を…快楽で震わせたい。


ッ──‥ピンッ


「…あ」


すでに固くなっていた胸の尖端を擽るように撫でると、水鈴の口から素直な声がぽんっと出てきた。


炎嗣の脚の上で飛び跳ねた身体は、指が優しく同じところを弾くたびにびくびくと揺れて、水鈴はなす術もなく口を手で覆う。


「…ん…っ…、ぁ……っ」

「……っ」

刺激に従順なこの反応は、彼を誘っているとしか考えられない。


“ これが演技なら…っ、恐ろしい女だ… ”


人を疑うことしか知らなかった炎嗣だが、彼女に関してはすべてが真実に思える。



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