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[続]天地を捧げよ〜神剣伝説〜
第2章 夢の続き

夕食を済ませたアルは部屋に戻り机で今日の一日を振り返っていた──


村にいた時を思い浮かべ、アルは今を噛み締める。


‥今日もおいしい食事が出来て皆の笑い声を聞いて暖かいベッドで眠れる‥

この幸せを世界でどれだけの人々が感じることが出来ているんだろう。

今ある幸せを大事にしなきゃな‥

明日も皆が朝日を眺め1日の始まりを幸せだと感じることが出来ますように‥。


アルは最近毎日、寝る前にこのお祈りを繰り返す‥


村に居る頃は毎日が恐怖だった。

1日が明ける度に消えいく命の灯火‥

何度と見送ってきただろうか…

村の最後の犠牲者‥
長が逝ってしまった日…

子供達は小さな手に大人用のスコップを取り懸命に土を掘り返した―――

長が眠る為の墓穴を‥

村を出るまでに何度とそんなことを繰り返しただろうか‥

小さな手には赤く剥けた痛々しいマメがたくさん出来ていた‥

涙をこぼし嗚咽を堪え、それでも体は淡々と作業を繰り返す‥
固く重い土を掘り返すという作業を…

悲しい程に小さな体はその作業を覚えてしまっていた


今は皆が笑ってる。それがあたしの幸せ‥

もう誰にもあんな思いはして欲しくない…
できればこの世界中にいる誰一人とて‥
そんな思いをしないように──

アルは願う。

経験してきたからこそ心の底からそう願わずにはいられなかった…。


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