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高嶺の花は惨(むご)く手折られる
第3章 対抗心に燃える5月
───恋人の気持ちを疑うわけではない。しかし菅野が花澄と打ち合わせをしているだけで麗華の胸はザワついた。

「──ですね、高嶺先生。…先生、高嶺先生!」

「あ、はい!すみません、島崎先生、なんでしょう?」

麗華は自分の受け持つ実習生に視線を戻す。

「具合でも悪いんですか?」

「いえ、大丈夫よ。ごめんなさいね、どこ?」

(気にしない、気にしない)

そう自分に言い聞かせて指導に集中した。

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