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贄姫
第3章 参


「もしくは、犯してくださいってお願いしろ。
そうしたら、体力も気力も戻るのに手っ取り早いぞ」


「な……! 誰がそんなお願い……」


するようになるさ、と勝ち誇った顔は美しい。
椿は腹が立って、浴槽へと逃げ込んだ。


普通にしてと百歩譲ってお願いしたのに
そんな言われ方をされたら
椿は瓊乱に精気などあげたくなくなってしまった。


「絶対にしないわ! 絶対に!」


「生娘なんて俺だってごめんなんだよ。
でもこの俺に初めてを捧げられるんだ、ありがたく思えよ」


「ばか! 出てって!」


ふんと鼻を鳴らすと、瓊乱は浴槽を後にした。
椿は耳まで真っ赤になりながら


「なんなのよ、犯すって……
手っ取り早いって……!」


ざぶんと浴槽に頭まで浸かり
身体に残る甘くうずく痺れに、
どうにもできない自分が悔しかった。


しかしその夜。
椿は瓊乱の言葉の意味を知ることになった。
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