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忘れられない指
第8章 確かめたい、互いの心・・
「キミたち2人の事をオレがどうこう言ったりできないよ。
 見守ってるくらいしか、オレにはできないよ・・」

缶ビールを飲み干して、缶をぐしゃっと握りつぶした。
孝明の感情が込められた缶が、無残な形となってテーブルの上で揺れる。
かすかな音をたてながら揺れる缶を見つめていたら、
再び体の奥底からこみ上げてきた。熱い熱い、なにかが・・

「孝明さんは・・
 私のことどう思ってるの?どう思って抱いたの?好きだから、じゃないの?
 あれから私・・しょっちゅう思い出してた・・あの夜のこと・・
 でも・・だからって孝明さんを好きになったっていうのとも違う・・ 
 もしかしたらこれから好きになるのかも・・孝明さんもこれから私のことを
 好きになってくれるのかなって・・
 でもなんにも言ってくれない。それより先に凌空さんが・・」

必死になって訴える。
テーブルを横に押しのけ、真正面から孝明にぶつかる。
彼の服を掴んで、揺さぶって。
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