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第5章 命の終わり

廊下の端に置いていた今日の受け持ち患者様の情報をメモした紙を挟んだクリップボードを載せたワゴンを押して、汚物処理室に入る。その部屋の奥にある加温器の蓋を開け、中に入っている熱めの使い捨てタオルを二枚取ってビニール袋に入れた後、それをワゴンに載せた。
準備が整った所で、私はワゴンを押して廊下を進み、病棟内最奥の部屋に入る。
この病室の半分は、カーテンで仕切られていた。中には喀痰中に多剤耐性緑膿菌とＭＲＳＡを持つ患者様が一人いて、隔離のために常にカーテンをぴっちりと閉めている。
個室に入ってもらうことも考えたが、その個室は今、人工呼吸器を使う患者様にあてがわれていて使えないため、多床室でカーテン隔離をするしかなかった。