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MY GIRL
第11章 それぞれの過去
短いスカートから伸びる細くて長い綺麗な足。

マドンナとかモデルって言われてるもんな…

本人全くもって気付いてないけど。

美咲が階段を降りていって見えなくなると

「…惚れ直した。っつーのは嘘で…吹っ切れた」

という声がして隣を見る。

清々しい、綺麗な笑顔を浮かべてる涼太。

俺も、と言うと笑顔を向けられる。

「でも…凄ぇな、美咲。普通あんな事言えねぇよ、これからも仲良くしてくださいなんて」

「だよな」

本当にそれは思った。

でも美咲は、そういう子なんだよ。

自分の事を後回しに、相手の事を考える子。

明日から普通に、俺と涼太と話してくれるんだろう。

「蒼汰、ありがとな」

突然礼を言われ、面食らう。

「何だよ、突然」

「あの後俺…まだ懲りてなかったじゃん?次はお前ん家行こうとしてたし。それ止めてくれてありがとう。あそこで止めて貰ってなかったらヤバい事なってただろうな」

「あぁ…、まあな」

「ぶっちゃけお前、乗り気じゃなかったろ?」

「…うん」

本当を言うと、最初から乗り気じゃなかった。

「美咲をめちゃくちゃに犯したい」

その欲望を爆発させたのが図書室での事件。

…足りなかった。

どうしようかと思い悩んでた時に涼太から持ちかけられた計画。

「矢野くん、俺と組まない?」

…まんまと乗った俺は、涼太と共に美咲を傷付けた。

罪悪感は尋常じゃなかった。

あの過去を知ってて美咲にそんな事出来るなんて、相当頭が狂ってないと不可能だ。

…俺は頭が狂ってた訳だが。

「…やっぱりな。俺もな?実は…口だけだった。蒼汰が了承したらどうしようかと思ってたし」

「…しなくてよかったな」

「ほんとだよ」

「間違ってたなー…」

「そうだな…」

「大樹の殴りで目ぇ醒めた感じ。自分のやった事自覚したっつーか。だから大樹に、感謝…」

歩きながら言う涼太が続きを言いかけた時、さっきまで聞いてた透き通った声に呼ばれて。

腕を引かれるままついて行くと、階段の踊り場で高宮先輩が倒れてて…

驚く程熱い高宮先輩を涼太と2人で保健室に運んだ。


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