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MY GIRL
第11章 それぞれの過去
思ってるとしたら、周りの人と尚也だけ。

酷い言い方しちゃうけど、拷問だった…

尚也と一緒にいるのは…

「美咲。俺に、話してくれねぇか。今じゃなくていい、お前が話せるようになったらでいいから」

その言葉に顔を上げる。

話したら…楽になれる?

尚也を忘れられる…?

「大樹…今、話す」

忘れてたのは事実。

大樹と付き合って、あの時の心の傷が癒えてたんだ。

思い出なんかに出来っこない出来事だったのに、いつの間にか忘れて過去になっていってた。

でも、時々思い出したり、夢に出てきたりしてた。

そして、ふと思うんだ。

あたしのせいで大怪我しちゃったあの先輩は、先輩を傷付けた尚也は今どうしてるんだろう、って…






大樹SIDE


「少しは聞いてるんでしょ?蒼汰に」

その言葉に驚く。

「知ってたのか?」

「うん、さっき蒼汰に言われたから。これからも付き合ってくなら、話しておいた方がいいって」

俺の腕の中にいる美咲は、そう言って大きな目を伏せた。

「教えて、美咲」

俺そろそろ、嫉妬で狂いそう…

さっき、こんなやり取りがあった。





「…俺が話せるのはここまで。後は美咲に聞いてください。あれは、あいつの口から直接聞いた方がいい。俺が高宮先輩に話す資格はありませんから」

「あれって…?」

「ちょっとした…いやちょっとじゃねぇな。事件です」

「おい蒼汰。それは聞いてねぇぞ」

「涼太には俺から話すよ」

「その事件って…男絡み、か?」

「男しか関わってませんね」

「分かった…」

その事件が気になって仕方なかった。

男しか絡んでないって聞いて、更に知りたくなった。

美咲の体をベッドに座らせ隣に座ると、話し出した。

「中2の時の、事なんだけどね?

あたし、校内で一番イケメンって言われてた先輩に告白されたの。

でも尚也と付き合ってたから断ったの。

ごめんなさいって…

でも先輩、毎日しつこく絡んで来てて。

筆箱ないなぁと思ったら先輩が持ってたり、家まで付けられてたり。

尚也にはこの事話してなかったの。

言ったら先輩がどうなっちゃうか…分かってたから。


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