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MY GIRL
第11章 それぞれの過去
「あたしが、大樹を幸せにする。全部全部受け止める」

「っ…、…く」

「大樹…、自分は幸せになってはいけない、って思ってるでしょ。…ダメな訳ないでしょ?大樹は幸せになっていいんだよ」

「…」

「色々我慢してきたって事だよね?これまでずっと。あたしの前では我慢しないで。親戚じゃなくても血が繋がってなくても、あたし達きっと何か繋がりがあったんだよ」

「っ…ぅ」

「大樹、お母さんと出会ってくれてありがとう。うちに来てくれて、ありがとう…」

ぼろぼろと涙を流す大樹をぎゅっと抱き締めた。

「…、美咲…っ」

「うん…?」

肩を震わせあたしの胸に顔を埋めた大樹は、弱音を吐き出してくれた。

「…っ、ずっと…」

「うん、…」

「寂し、かったっ…」

「っ…、うん…」

「誰も愛してくれなかった…」

「あたしが愛してる…」

「いないものとして扱われるのは一番耐えた…」

「っ…」

「お前なんかいらないって…」

「いらない訳ないじゃん…」

「野垂れ死んでしまえとか…」

「っっ、酷いよ…」

「女達、には…死ねって言われた記憶しかないっ…」

「…!」

「他にも色々あるけど…っ思い、出したくない…」

あたしも声を上げて泣いてしまった。

どれだけ深く傷付いたんだろう…

大樹…今18歳だけど、心はその時から進んでないのかもしれない。

まだ、その時のままなんだ。

じゃあ、あたしがこれから時間をかけて、大樹の止まったままの時計を進めてあげなきゃ。

「…ねぇ、大樹」

一頻り泣いて大樹を呼び、顔を上げる大樹に微笑む。

「これからもずっと、一緒にいよう?」

「…、え…?」

「お互い、前に進も?もう辛い事忘れて、2人で幸せになろ…?」

「…」

「あたしも大樹の過去、背負っていくから」

「…、」

「…?大樹?」

「…美咲、幻滅しなかったのか…?」

「…へっ!?幻滅!?」

「俺の話聞いて…」

「いやいや、幻滅なんてする訳ないじゃん!寧ろそれあたしが聞きたいよ!」

「する訳ないだろ…。…ただ、俺が初めてじゃなかった事には幻滅したけどな」


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