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MY GIRL
第11章 それぞれの過去
勝手に解約されて、次住む人決まってた。

涼太に頼りきるのもいけねぇしさ?

お金は、金額は言えねぇけどちょくちょく振り込まれてたから、この際マンションの部屋借りようかと思ったんだけど、手続きがな…親の判子とか何もないからさ、出来なくて。

死んでしまおうかとも思った。

何もかも嫌になって、寂しくて、悔しくて…初めて泣いた。

俺の中に溜まり続けてたんだろうな、イライラが。

人通り全くない公園のベンチで声枯れるまで泣いて、泣き疲れて寝てしまって…起きたら、酷い雨降ってて体びしょ濡れだった。

あぁ、何で目ぇ醒ましたんだろうって思って、また寝ようとしたんだけど寝れなくて。

…まあ当然、風邪引いて。

このまま死んでいいかなーと思ったんだけど、折角目ぇ醒めたんなら生きてやろうって、病院まで歩いて…入った途端、倒れた。

…で、ここからだ。

次に起きたら目の前にいたのが…美咲の母親、美雪さん。

事情聞かれて、今までの事全部話した。

そしたらあの人、俺が高校卒業するまで家で面倒見てくれる、とか言い出して。

断ったのに、…まあ美雪さん強引だからな。

だから、謝りたいんだけど…美咲に、親戚だって説明しただろ?

もう追い出されるのが嫌で、深い説明がいらない親戚って事にしてしまったんだ。

本当に、ごめん。

全くのよそ者なんだよ俺は…」

…この人は、何て辛い道を辿って来たんだろう。

想像出来ない…親に捨てられるなんて。

住む家がなくなるなんて。

思ってた以上に酷い大樹の過去。

あたしのお母さんと大樹の繋がりには驚いた…

「大樹…」

「ん…?」

そんな辛い事だらけだったのに、あなたは今日も元気そうに、あたしに笑いかけてくれるんだね。

「…ずっと、ここにいて。命令だよこれ」

大樹の膝から立ち上がり、大樹の体を強く抱き締めて呟く。

「…はは。命令なんだ?」

「当たり前でしょ?大樹はここにいていいの。いなきゃダメなの。大樹の家は、ここなんだよ」

「っ…」

「今までずっと不幸だったんなら、これからは絶対に幸せにならなきゃダメ。死のうなんてもう2度と考えないで…」

大樹の綺麗な顔を両手で包む。


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