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MY GIRL
第16章 東京
「無理してねぇし、離れねぇから。いつから一緒にいると思ってんの」

「蒼汰、保護者みたい」

…親かよ。

「俺は美咲と付き合う事になってもいいんだけどな。寧ろ大歓迎…な、美咲。俺と付き合お?」

「何言ってるの蒼汰、バカなの?付き合う訳ないじゃん!」

ドスッ。

美咲の言葉が俺の胸に深く突き刺さる…

こいつ最近、マジで容赦ねぇ…

まぁ、当然の答えっちゃあ答えなんだが…

でもマジでそこら辺の関係をどうにかしないと、俺達の高校での生活はややこしいものになる。

1年の時から相も変わらず…いや、増えたか?

かなり増えた、美咲に言い寄る男の数。

高3になってからは、俺も参戦中。

…渡すかよ。

この俺でさえ、望んで長年努力して手に入らなかった場所なんだから。

美咲と…大樹さんの邪魔は誰にもさせない。

美咲が男に呼び出されたら、その場所に行かせて、タイミングを見計らって

「美咲、まだ?早く帰りたいんだけど。…誰?その男」

とか何とか言いながらその場に出ていく、っていう男への地味な嫌がらせをしている。

ちなみに言葉の種類は全部で8種類。

…いや、9種類か?

美咲もアホだから

「あー、蒼汰!ちょっと待ってね」

って、いかにも彼氏を呼ぶような呼び方と、可愛い笑顔を向けてくれる。

そうすると男は、勝手に俺と美咲が付き合ってるって勘違いして去っていく。

…今まで何10回そんなやり取りしたかな。

最近は疑われてキスさせられるし…そろそろ潮時か。

「…なぁ。俺達付き合ってるフリしようよ」

「えー!?何で?」

「だってお前、告られんのキリないもん。…俺がいんのに」

「…?」

「俺と付き合ってる事にすれば告られなくなるだろ」

「何でよ!あたしの彼氏は大樹1人だってばっ」

「いいじゃん。フリだけ」

「嫌!」

「学校でだけ」

「嫌ー!」

「えー、付き合おうよ〜」

「いーや!嫌!」

ブンブンと首を振る美咲の頭をガシッと掴む。

「やぁあバカぁあ」

「落ち着けバカ」

「やぁぁああ」

「落ち着かないとキス」

「…」

ぴたっとと首を振るのをやめてそっぽを向く美咲。

「えー、つまんね。キスさせてよ」

「させる訳ないでしょバカ!大体おかしいでしょうが、彼氏2人もいるなんて。意味分かんない!」


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