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MY GIRL
第16章 東京
「いいじゃん、フリなんだから」

「フリでも変わんないでしょー!?もー…大樹、蒼汰に護衛なんて意味分かんない事頼まなくても、あたし1人でやっていけるのに。ねーぇ蒼汰、何度も言ってるけど…あたしはもう大丈夫だから。もう大学生になるんだし、あたしなんかの為に蒼汰の時間無駄にしないでよ」

「だめ。大樹さんと約束したし、無駄になんかしてねぇし、そんな事俺が許さない。…いい加減、自分が周りからどんな目で見られてんのか自覚しろっつの。それに同じ大学行くじゃん、俺ら」

俺のやりたい事は、美咲を守る事。

何事も美咲を追いかけて同じ時間を共有してた俺は、当然特にやりたい事もなく、進学希望だったがその進学先も決めかねていた。

とりあえず経済学がある所はピックアップしてあったが。

しかし。

さり気なく美咲に志望大学を聞いてみると、東京のJ大学を目指してるって言うから、咄嗟に

「あ?一緒じゃん。これから一緒に頑張ろうぜ」

って事にしてしまった。

そんな俺を疑う程鋭い勘は美咲は持ち合わせていないからな…

美咲が行くから行くなんて、口が裂けても言えない。

そしてそれを聞いた夜。

J大か…どれ位のレベルだろうか。

楽しい所ならいいなー、なんて軽く考えてパソコンを開いて見てみると。

…撃沈。

軽々しく「一緒に頑張ろう」なんて言えるレベルじゃない位俺には難関大だった。

美咲は相変わらず成績はトップ付近をキープしていた為、他にも選べる位余裕なんだろうが。

「…やべ。勉強しよ」

160人いる中で余裕で3桁の番数をキープしてる程落ちこぼれだった俺は、その日から猛勉強が始まった。

そして。

気が狂う程の努力をした結果。

俺達はJ大の推薦入試に合格し、J大入学の切符を手に入れた。

俺が合格したの…奇跡つっても過言じゃねぇよな…

あんなに勉強したのはあの時がピークで、これからはしなくていい…事を祈る。

「あたし達、何でも一緒だもんねぇ。誤解されるのも無理ないよ…」

…まあそれは俺が美咲の真似をしてるからなんだけどね。

本人は1mmたりとも気付いてないが。

「俺はいいけどな、誤解されたままで」

「えー、何言ってるの!?あたしは大樹だけだってば!それにあたしと蒼汰が付き合ってる事になったら、蒼汰に失礼じゃん!」

「はぁぁあっ!?」


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