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MY GIRL
第16章 東京
「ちっ…男持ちかよ。つまんね」

「ひゃっ」

「っ!?」

言いつつ美咲の胸を揉んで歩いて行った男を追いかけようとしたが、たくさんの人に紛れて見えなくなってしまった。

「…っ、そ…蒼汰ぁ、胸揉まれちゃった…」

「…揉まれたな。俺が消毒してやろうか?」

「い、いらないっ」

「ははっ…大樹さんにたっぷり消毒して貰え」

「…、うん…。あの人東京案内してくれるって言ったのに、行っちゃったねぇ?」

…こいつ、マジで1人にしたら危ないな。

「…あのな美咲。あれはナンパっつーの、ナンパ。お前がしょっちゅうされてるナーンーパ。あんなんに捕まったら即行ラブホ連れてかれて中に出されまくって性奴隷にされるから。だからお菓子やるから付いてこいとか言われても付いてくなよ?分かった?」

「えっ!?やだ怖い意味分かんない!」

「うん…頼むからその意味分かんない男に捕まらないように気をつけてください」

「分かった…大樹がいない時は蒼汰が守ってね?」

「っ…」

こいつはほんとに…

「…その顔も無闇に撒き散らすなよ」

そんな無防備で押し倒したくなる位可愛い笑顔。

「顔!?へっ、顔!?あ、ごめ…そうだよね、こんなブサイクな…」

「…はぁっ!?ちっげーよそういう意味じゃねぇ!つかお前がブサイクだったら世界中の女全員ブサイクだわ!…そんな可愛い笑顔、他の男に見せんなって事」

「可愛い笑顔?」

「…うん」

「誰の?」

「お前のだよ」

「あたし可愛くないもん!」

…いい加減自覚してくれほんと。

「可愛いわ!お前は、俺が今まで出会った女の中で一番可愛い!」

ムキになって大声で言うと、美咲が顔を真っ赤にして照れる。

…だから!

クソ可愛いわ!

「っ、あ、ありがと…」

「…」

あー。

可愛い。

つーかさ。

そんな無駄に可愛い顔で生んで貰って、マジで今まで自覚なかったのか?

俺が美咲の立場だったらさ、鏡見て、こんっな可愛い自分の顔が映ったら暫く鏡の前から離れないわ。

男も取っかえ引っ変えどころか、何人も彼氏作って貢いで貰うし。

…まあ、美咲はそんな事する女じゃねぇからな。

だから一緒にいる訳だし。

「…せっかく東京来たんだ。色々見て回ろ」

「うんっ」

ちょこちょこ小走りで近付いてきた美咲の手を握り、人が犇めく道を歩き始めた。


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