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MY GIRL
第16章 東京
大樹SIDE


はー…。

ノートパソコンを閉じて深くため息を吐く。

やっと終わった…

今日は美咲に会える日。

3連休を使い、新幹線で蒼汰と俺の住むマンションに来てくれる。

さっさと帰ろ。

鞄に適当にノートパソコンや書類を突っ込み、終えた書類を課長に渡す。

「はっ…!?もう終わっ…」

「25ページの5行目、漢字のミスを発見したので修正しました」

唖然としてる課長に一礼。

「…ほんと頼りにしてるよ、高宮くん」

「ありがとうございます。お先失礼します」

笑顔を浮かべて挨拶し、会社を出る。

あーもう待ちきれねぇ。

あの書類こんな早く終わったの美咲の事考えながらしたからだな。

美咲の事考えながらしたら早く終わるんだよな…

これからそれで書類片付けよ。

「高宮くんっ」

2ヶ月ぶりか?会うの。

早く抱き締めたい。

…帰らせたくない。

「…あのっ、高宮くん」

蒼汰と来るんだっけ、あいつ俺の美咲に手ぇ出しやがってねぇよな?

出してたらマジでぶっ殺す。

まあ美咲からそんな連絡ないから大丈夫か。

あー、早く美咲の事食べてぇ…

料理も作ってくれるらしいから楽しみ、

「高宮くんっ!」

「…っ!?」

突然腕を掴まれて回想から引き戻され、酷い悪寒を感じて振り向き…眉を寄せた。

…誰。

「…どなたですか」

女の手を振り払って腕を振り、冷たく聞く。

「えっ…同僚の、松下だけど…」

は?同僚?

知らねー…

わざとらしく腕時計に視線を落とし、ため息を吐く。

「急いでるんですけど。…ご要件は」

「えっ、あっ、…あのっ、今から一緒にご食事でも…」

…人の話聞けよ。

「…あっ、待って…」

何かを言いかけた何とかさんを無視して歩き出す。

そのまま振り返る事もなく、駅まで歩いた。

マジで早く会いたい。

早く来いよ、東京に。

美咲に会えるのは勿論死ぬ程楽しみだけど、蒼汰に会うのも楽しみにしてる。

…俺の隣の部屋、開けておいて貰ってんだぜ、お前の為に。

美咲と同じ大学に通うっていうからな。

近くにいて貰った方が何かと便利だしな、通学も一緒に行かせればいいし。

「…」

それにしても。

蒼汰のあの言い訳を思い出すと、今でも笑いがこみ上げてくる。


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