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MY GIRL
第16章 東京
「へへっ、そうだよね!こっちの方が嬉しいよね!へっへーん、地元のお土産の方が嬉しいってー!」

「おい待て、それ絶対美咲だからだろ!?もし美咲が東京のお土産の方だったら大樹さんも東京の方がいいってパターンだろ!?俺にも有利な聞き方しろよー!」

「意味分かんない!大樹は地元のがいいって言ったのー!」

「おいやり直せ。今すぐ大樹さんの記憶消せ!お土産の事は俺が言うから電話変わって、…」

賑やかに言い合ってる美咲と蒼汰。

仲良くやってんだな。

ただ…言い合いのやり取りがバカップルのケンカにしか聞こえないんだが。

いい度胸だ、蒼汰。

部屋の前に着き、カードキーでロックを解除する。

「あ!電車来たっ!大樹、電車来たから電話切るね?後でねっ」

「あぁ…愛してるよ、美咲」

物凄く甘い声で囁き、電話の向こうで真っ赤になっただろう美咲を想像しながら電話を切り、部屋に入る。

美咲は俺のだからな。

電気を付け、鞄をソファーに置いてスマホでメール画面を開く。

「美咲といい感じになってんじゃねぇぞバーカ。バカップルかよお前らは」

そう打って送信しかけて、再び作成画面に戻って付け足す。

「でも、ありがとう。頼りにしてる」

カーソルを物凄く下まで動かして入力し、送信した。

百歩譲ってのお礼。

俺も…まだまだ子供だな。

ヤキモチやいてばっかじゃいられねぇのに…

蒼汰に感謝しねぇとな。

ため息を吐いてソファーに横になる。

…眠。

今日の為に徹夜続きだったからか、眠気が一気に襲い掛かってきた。

美咲達が来るまで寝るか。

鍵を締め忘れた事も忘れ…

俺は、夢の世界に旅立った。






蒼汰SIDE


「うわぁあ、人いっぱい、電車いっぱい!」

「…、人は分かるけど、電車はいっぱいじゃねぇぞ」

「見て蒼汰!改札だよー!」

「…そんな珍しいもんじゃないと思うけど」

「いっぱいあるよー!」

「…よかったな」

テンションが物凄く正反対の俺ら。

あの後も美咲は何度もナンパされ、俺まで知らない女に話し掛けられて大変だった。

お陰で俺の機嫌は最悪。

そんな俺に対し、ナンパだの何だのされた事を微塵も気にしていないだろう美咲は、目を輝かせて駅のホーム内を見渡してる。

「春からこれに乗るんだからな」


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