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MY GIRL
第16章 東京
「うん。うわぁ…起きれるか不安だなぁ」

「まあ寝坊してもここら辺の電車は数分に1度のペースで来るから大丈夫だろ」

「あ、そっか!じゃあギリギリまで寝てられるんだっ」

「いいのかよ、それで…」

「蒼汰、迎えに来てくれるんだったよね?それまで寝てるから起こしてねぇ」

「ちょっ…おかしいだろそれ!襲うぞ」

「蒼汰の再起不能にしちゃうよー?」

「怖っ…勘弁」

「そういえば蒼汰、あたしは大樹と同棲だけど、蒼汰は住む部屋どうするの?」

「…まだ決めてねー。それを決めに今日付いてきたようなもんだからな」

「そっかー。あたし達と同じマンションに住めばいいのに」

「ぶっちゃけそうしたい。…部屋空いてんの?」

「ん…分かんない。…でも、大樹が…」

美咲が何かを言いかけた時、美咲のスマホが着信音を鳴らせた。

「あぁあ!大樹だ!」

叫んですぐに出た美咲が、幸せそうな表情で話し始める。

途中でお土産についての言い合いが始まり、そして。

美咲が、目を見開いて真っ赤になった。

「…あ?何だよ、顔タコみたいになってんぞ。どうしたんだよ突然」

「っ…あ、ぁ…」

「は?遂に頭イカれた?あー元からか。ほら、乗るぞ」

「…」

スルーか…つまんね。

真っ赤でエロい表情になってる美咲の肩を抱いて電車に乗り込む。

その手に、スマホはまだ握られたまま。

角の隅に美咲を寄り掛からせ、閉じ込めるように片手を付いた。

「あの…っね?大樹がね…?愛してるよ、だってぇ…。もう、とろけちゃいそう…」

何この女…いちいち可愛すぎる。

プラス、今は色っぽい。

「へぇ…よかったじゃん。浮気されてなさそうだな」

「もー、蒼汰そればっかり!」

「浮気されてたら俺とラブホ行こうな〜。子作りセックス励もうぜ」

「やだー、女の人と闘うもーんだ」

あー…何でどうしてもこんなエロい事言ってしまうんだか。

「はぁ…」

ため息を吐き、美咲越しに東京の風景を眺める。

「何でため息ー?」

「…誰のせいだろうな」

「?」

首を傾げて俺を見つめてくる美咲。

あー、もう。

「蒼汰〜?」

…あぁもう!

「お前さ、…っ!?」

ガタン!

それは突然だった。

電車が大きく揺れ、満員だったから後ろの人がぶつかってきて…


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