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MY GIRL
第20章 波乱いっぱい入学式
「マジで言ってんのかそれ…」

あたしの頭に手を置きため息を吐く蒼汰。

「何が〜」

「…もういい。中入るぞ」

「はーい」

先に歩き出した蒼汰の後についてちょこちょこ歩き出す。

すると突然、後ろから腕を掴まれた。

驚いて振り向くと。

「ねぇねぇ、どこの学部の子!?すっげぇ可愛いね!俺2人きりになれるいい所知ってんだけどさ、今から一緒に、…っ」

ぐいぐい顔を近付けてくる男の人から後すざりしてると、蒼汰の体にぶつかって。

あたしの体を抱き締めるようにして腕を回され、掴まれてる腕から男の人の手を離した蒼汰。

あたしの体を胸に抱き、

「…なぁ。見て、分かんねぇ?」

物凄く低ーい声が響いて。

蒼汰の表情はあたしからは見えなかったけど、男の人が凄く怯えた表情になっていって…

「すっ…!すっす、すみませんでしたぁあっ!」

と叫び、よろけながらどこかへ走って行った。

「…はぁ、びっくりした。誰だったの?あの人。蒼汰の友達?」

ふん、と鼻で笑ってる蒼汰を見上げて聞いてみると。

「…は!?お前なぁ…どう考えてもナンパだろ。超ヘタクソな」

「ナンパ!?あれが?」

「うん。あんなヘッタクソなナンパ初めて見たな。しかもブサイク」

くっくっく、と楽しそうに笑う蒼汰。

「面白かったね!」

「…、もーバカ。お前マジで、大バカ」

「ええ、何それー!?」

あたしの体を離し、頭を撫でて歩き出した蒼汰を慌てて追う。

「早く諦められたらなぁ」

小さく呟かれた蒼汰の言葉はあたしの耳に届かず。

「待って〜」

スタスタと歩く蒼汰の後を追った。






蒼汰SIDE


入学式を終え。

教室で、たくさんの人に囲まれて笑ってる美咲を腕を組んで見つめる。

はぁ。

今日何回目だよ?このため息。

マジで幸せ逃げそうだ。

「ねぇ、どうしたの〜?」

…また逃げた。

わざとらしい上目遣いで俺を見上げる女を見下ろし、再びため息。

比較的男が多い美咲の周りに対し、俺の周りには女、女、…女だらけ。

大学でもあんのかよ、こういうの…

気分が悪くなって再びため息を吐き、きゃあきゃあ言ってる女達の声に心の中で耳栓をする。

何が

「きゃあ!目が合った〜」

だ。

合ってねぇよ、いつ合ったよ。


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