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MY GIRL
第20章 波乱いっぱい入学式
合わせる訳ねぇだろ、景色の一部だよお前らなんて。

ふざけんじゃねぇ…俺が見てるのは美咲1人だ。

もう何度目か分からないため息を吐いて顔を上げ、美咲がいる方向に視線を移すと。

「…っ!?」

は!?

いつの間に?

どこ行った、あいつ!?

「美咲ちゃん探してる?健くんと出ていったよ〜」

「ねぇ、ほんとに付き合ってんの〜?」

何だよ誰だよ健って。

それに気安く美咲ちゃんなんて呼ぶんじゃねぇ!

まさか告白か?

いや、幾ら何でも早すぎんだろ!

あいつなら有り得るのか…?

「…美咲、どこ行ったの」

「それは分かんないけどぉ〜」

「ねぇデートしてよ〜」

「あたしと付き合って〜」

…何だこの大学。

ビッチばっかなのか?

あー…イライラする。

キツい香水のニオイが俺の苛立ちを更に大きくする。

「ねぇ、蒼汰って呼んでいい〜?」

…はっ!?

マジで勘弁、ビッチに名前呼ばれる位なら俺豚になってもいい!

「やめて。気持ち悪いからマジでやめて」

俺の言葉に硬直する女達を見て再びため息を吐くと。

「ねぇねぇイケメンくん」

…は?

突然耳元で響いた声と肩に置かれた手に驚き、眉をひそめて振り返った。

誰だ、こいつ。

随分とイケメンだな。

キャラメルブラウンの無造作にはねた柔らかそうな髪に、二重の大きな瞳が印象的な男。

でも童顔じゃなくて、正統派なイケメン。

…身長幾つだ?こいつ。

かなりでけぇな。

怪訝な顔をする俺に作った笑みを浮かべる。

「あ、翔だー!また一緒だねーっ」

「…ん、そうだな」

「ね、麻友はっ?」

「バイトだからってそっこー帰った」

「へぇ、ウケる〜」

は?何がウケるんだよ…バカじゃねぇの。

「大学でも仲良くしてやって」

「当たり前じゃーんっ」

今まで俺にまとわりついてた女が翔と呼ばれた男に近付いて言うと、作った笑みを更に浮かべて女に言う。

めちゃくちゃ怪しいぞ、この男。

関わったら面倒くさそう。

そんな事より美咲を探さねぇと。

肩に置かれてた手を振り払って歩き出すと。

「あー、イケメンくん待って!」

誰だよイケメンくんって。

無視してそのまま教室を出ると、後ろから再び肩を掴まれた。

「っ何だよ?」

「美咲ちゃん探しに行くんだろ?俺も健探しに行くからさー、一緒に行こうよ」


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