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MY GIRL
第8章 出会いと予感
「へぇ…!お疲れ様です!生徒会って憧れます、人望厚くていい人ばかり集まってる、って聞くから」

「うん。いいやつばっかだよ」

俺が関わる限りの人間はな。

「あたし、生徒会とは無縁です〜」

「お前なら入れるよ。つか入って欲しい」

寧ろ生徒会長なればいいんじゃねぇか。

全校生徒が言うこと聞くだろ、絶対に。

「何言ってるんですか!そう言ってくださるお気持ちは凄く嬉しいですけど!頭のレベル的に無理ですよ〜」

「確かに頭いいやつ多いけど、悪いやつもいるよ?ユーモアあるから入っただけで、頭悪いやつ」

確か高嶋…だったか、あの3組のうるせぇやつ。

あいつはそれの典型だ。

「そうなんだ…楽しそうですね!」

「あぁ…楽しいよ」

お前が入ってくれれば、もっとな。

「そっかぁ…先輩は、この学校をいい学校にしてくれる側の方なんですね。お疲れ様です、いつもありがとうございます」

そう言って頭を下げた美咲。

すとん。

美咲のその言葉は俺の心のど真ん中に綺麗に落ちた。

俺、こいつのこと…

速く鼓動する心臓。

平然を装って、美咲と同じりんごジュースを買うと

「あー!あたしが買うのにぃ」

と頬を膨らませる。

「ほんと気持ちだけで十分だから」

お前に買って貰ったらもったいなくて飲めねぇよ。

「いつか絶対に恩返ししますからねっ」

だから、コンタクト拾っただけだって。

隣で、もー、とか言ってる美咲。

無意識に、手が伸びた。

柔らかそうな髪に触れると、本当に柔らかくて。

…俺、女に初めて自分の意思で触れたわ。

そっと撫でるとはにかんで見上げてくる。

…うわ、何これ。

ヤバい…本当に、ヤバい。

抱き締めたい…

…いや、抱き締めたら絶対止まらなくなる。

俺の中の何かが、止まらなくなる…

だけど…

「…あっ!あの先輩、お名前教えて貰っていいですか?あたしは吉岡美咲ですっ」

その言葉に何とか理性を引き戻して、美咲の頭から手を離した。

…やっぱり、吉岡美咲か。

「3年1組高宮大樹。俺らこれから濃い関係になってくと思うから…よろしく」

きょとんと首を傾げる美咲の頭を再び撫で、自販機ルームを後にした。


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