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男の娘のボクに彼女と彼氏ができるまで
第2章 百合音さんの好きなこと
そうか、人の唇ってこんなに柔らかいんだ。

顔を離して、囁くように百合音さんが言う。

「ねぇ……しよっか?」

何を、とはさすがのボクも聞かなかった。

「い、い、いいんですか……?」

声が上擦っているのが自分でもわかる。

「恋人同士に良いも悪いもないでしょ?」

百合音さんが唇を舐めて笑った。
その表情は妖しくて、でもかっこよくて、ボクの方がきゅんとしてしまう。
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