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先生、早く縛って
第10章 それぞれの距離

まるで他人のように歩く二人……

先生、本気で言ってるの……? 私はこのままでは帰りたくないよ……

私は、涙をこらえその背中を見つめながら歩く。そしてそのままずんずんと歩き、駅が近付いて来たところで……先生はやっと立ち止まった。

「なぁ、結衣……これ以上着いてきたら……あっ」

突然、先生が私の後ろの方を見て驚いたような声を出す。すると、すぐ後ろから妙に明るい男性の声が聞こえてきた。

「あっれ~? 一海、これは……」

振り向くと、背の高い男性が立っている。

「もしかして俺……お邪魔かな?」

そう言ってニヤリと笑うその顔は……まるでいたずら小僧みたいで、私は思わず笑ってしまいそうになった。でも、本物のブロンドみたいな金色に染めた髪をして、彫りも深いから一瞬ハーフかと思うようなカッコいい人。

……モデルさんか何かかな。
先生とはタイプの違うイケメンだ……

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