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先生、早く縛って
第10章 それぞれの距離

「そんなんじゃない。早く行くぞ、石塚。店が予約してあるんだ。こいつはただの生徒だし、いま帰るところだから」

先生がニコリともせずに言い返す。

ただの生徒って。ひ、ひどい……でも、だからか……だから私を早く帰したかったんだ……

「ひどい言いぐさだなぁ~かわいそうに。隠すことないだろ~が。俺とお前の仲だろ? 大丈夫だってチクったりしないから」

「別に俺はそんな心配……」

「ほらほらムキになって~」

そう言ってカラカラと笑う姿は正直軽い感じもしたけど……なんだか絶対いい人のような……そんなオーラを出している人だった。

先生の、かなり親しいお友達……だよね?

「おい、余計な話はするなよ。ほらもう立松は帰りなさい」

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