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先生、早く縛って
第21章 鬼畜王子

石塚の能天気な顔からまた校舎の方に視線を戻すと、さっき叫んでいた女子たちからさらに大きな声が上がる。

「あっ…王子と目が合っちゃった! キャー!!」

「くっそー! 何で俺がイッシーでお前が王子なんだよ!」

石塚はパンの袋を握りしめて悔しがっている。

俺だって、ハーフのような顔立ちの石塚こそ王子と言われてもいいんじゃないかと思うが……呼ばれたくて王子と呼ばれている訳じゃない。

それに……俺は石塚以外に仲の良い友達がいる訳でもないし、友達を増やしたいとも思わない。

そういうとっつきにくいところも含めて王子などと言われるのかもしれないし、実は俺の欠点なのではないかと……

前から少し思っていたところに、昨日の出来事だ。

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